分科会発表

8月10日(金) 9:00~14:25


分科会発表(1) 9:00~9:30
【分科会A】学ぶ文化祭 統計解析と問題解決の手法を取り入れた探究活動
私立大阪暁光高等学校  北辻 研人
発表スライド : 1A_kitatsuji.pdf(14MB)
(要旨) 本校では、クラス活動の1つの軸として「学ぶ文化祭」を展開している。担当は、2年看護科、テーマは「ホスピスを学ぶ」とした。終末医療におけるケアについて、ケーススタディを中心に展開。生徒の意見や、医療的な統計データを分析し、学びを深める。締めくくりとして、あるケースにおける課題に対して、問題解決の手法を取り入れ、ブレーンストーミング・KJ法を使って解決に向けて議論した。探究活動の実践例として報告する。

【分科会B】プログラミング教育推進に関する一考察
北海道立教育研究所附属情報処理教育センター  佐藤 公敏
発表スライド : 1B_sato.pdf(2.5MB)
(要旨) これからの時代の要請に応える力を育むことを目指し、プログラミング教育の実施が予定されているが、先生方を対象とした聞き取り調査の結果から、プログラミング教育を円滑に実施されにくい状況があることが想定された、そのため、高等学校までを見越した系統的なプログラミング教育の教材について提案を行い、今後のプログラミング教育の推進に役立てることはできないかと考えた。

【分科会C】情報の科学的理解を目指した情報モラルの授業実践
神奈川県立生田東高等学校  大石 智広・専修大学  望月 俊男
発表スライド : 1C_oishi.pdf(40.3MB)
(要旨) 矛盾する複数の文章の読解を通した情報リテラシー教育の授業実践(大石, 望月 et al 東京大会 2017)を、情報モラルの授業に応用した。生徒は情報モラルを題材にした矛盾する文章を読み解く中で、情報の科学的な性質について理解する。科学的理解に基づいて、情報社会の中であるべき態度や行動を判断する課題に取り組む。授業の構成と実際の様子について報告する。


分科会発表(2) 9:35~10:05

【分科会A】「問題解決力」を試す問題の試行
東京都立小金井北高等学校  飯田 秀延
発表スライド : 2A_iida.pdf(2.4MB)
(要旨) 2020年度から実施される大学入学共通テストでは、従来の「知識・技能」から、思考力・判断力・表現力等を重視した「問題解決力」を問うような問題に変化するといわれている。一方、一部の大学や中学校などの入試では、すでに特定の知識を必要としない論理的試行問題が出題されている。そこで2020年度に大学入試に臨む高校1年生に対し、現状入手可能な「問題解決力」を問う試験問題を出題し、その結果をまとめたので報告する。

【分科会B】全日制普通科「情報コース」設置校の実践報告
千葉県立佐倉南高等学校  浅見 智峰
発表スライド : 2B_asami.pdf(3.8MB)
(要旨) 本発表では普通科の「情報コース」設置校がどのような教育課程で構成され、実際にはどの様な授業を展開しているのか、について報告する。共通教科情報では「社会と情報」から、指導計画や授業例の報告を行う。専門教科情報では「情報テクノロジー」から、実践している「Arduinoを活用したガジェット開発」の途中経過を報告する。また、資料の提示や課題の提出、評価などで活用している「G Suite」サービスの「Google Classroom」についても紹介したい。

【分科会C】協調的問題解決の議論ツールとしてのチャット/SNSの活用
宮城県仙台第三高等学校  菅井 道子・東北大学大学院情報科学研究科  堀田 龍也・和田 裕一
発表スライド : 2C_sugai.pdf(2.1MB)
(要旨) 働き方改革を受けて民間企業では業務にチャットツールの活用が普及しつつある。一方、チャットやSNSを議論のツールとして使うことは生徒にとってあまり馴染みがない。生徒の将来を見据え、情報の共有や問題解決時の合意形成の手段としてそれらのツールを活用する有用性を体験的に理解させることが望まれる。調査研究の結果をもとに、それらを活用したオンライン・ディスカッションを生徒にさせる際の留意点と実践例を報告する。


分科会発表(3) 10:10~10:40

【分科会A】問題解決型学習の授業実践報告「秋田県の市町村をデザインする」
秋田公立美術大学附属高等学院  澤田 弦吾
発表スライド : 3A_sawata.pdf(13.8MB)
(要旨) 秋田県の各市町村が抱える諸問題(人口減少・後継者問題・PR不足など)を生徒自身の現地調査をもとに探り、自ら課題やターゲットを設定した。その問題解決に向けた取組み方法をポスター・コンセプトボード・リーフレットで提案した。市町村における事(コト)や物(モノ)を「情報」と捉え、自らの提案に対し、生徒自身が、必要な「情報」を「収集・整理・創造(デザイン)・プレゼンテーション」した授業実践について報告する。

【分科会B】コーチングの手法を活かしたプログラミング教育に関する考察
電気通信大学大学院総合情報学専攻  養老 毅暁
(要旨) 私が勤めている(勤めていた)4つの学校での情報科非常勤講師の経験をもとに、クラス全員が同じプログラミングを学び、全体的に教授を進めていく方法と、許可された教材の範囲内で生徒が主体となって各自でプログラミングを学び、教員はその指導・監督(コーチング)に当たる方法の、それぞれの良さとデメリットや、その方法の授業が成立しやすい条件などについて、(後者のコーチングの手法に重きを置いて)考察をお話しします。

【分科会C】公立高校に於いて生徒一人一人にタブレット型パソコンを購入させる情報教育15年の実践
横須賀市立横須賀総合高等学校  石井 徳人
発表スライド : 3C_ishii.pdf(3.5MB)
(要旨) 横須賀市立横須賀総合高等学校では創立以来情報教育と国際交流教育を教育の柱としており、入学時生徒全員にタブレット型パソコン(ノートパソコン)を購入させ、使いこなせる様にして卒業させる実践を15年間続けてきました。取り組みの中で起こった問題点とその解決方法、情報以外の教科科目での利用への取り組みなど実践内容を報告させて頂きます。また、分科会の中で他校の実践も共有できればと考えています。


分科会発表(4) 10:50~11:20

【分科会A】3年目を迎えた専門科目「情報学基礎」――次期指導要領における「情報Ⅰ」を見据えたプログラム開発
京都市立西京高等学校  藤岡 健史
発表スライド : 4A_fujioka.pdf(1.9MB)
(要旨) 本研究は、「基礎情報学」の観点から情報概念の正確な理解を定着させ、メディアに含まれる情報の選択、検証、理解を図り、真の情報活用能力の涵養を目指した学際的な情報教育プログラムを開発することを目的とするものである。この目的を達成するため、SGH研究開発の一環として、専門科目「情報学基礎」を平成28年度から1年次で実施し、授業実践と評価を行っている。本発表では、平成29年度までの内容について報告する。

【分科会B】楽しく取り組める Unplugged Programming
福井県立若狭高等学校  木村 文彦
発表スライド : 4B_kimura.pdf(2.7MB)
(要旨) プログラミングの基本動作、順次・反復・分岐を、普通教室でコンピュータを使わずに学習できるプリント教材を考案し、「社会と情報」の授業で実践した。プログラミングの指導に対してあまり自信が無い教員でも取り組めるよう易しく、かつ多様なバリエーションを工夫できる内容にできたと思う。普通教室で実施することにより、生徒同士が話し合う、教え合う姿がよく見られた。

【分科会C】他者との違いを知ることで自分への理解を深める情報モラル教育
東京都立江北高等学校  稲垣 俊介・東北大学大学院情報科学研究科  堀田 龍也・和田 裕一
発表スライド : 4C_inagaki.pdf(1.6MB)
(要旨) 今日の高校生は、他者とのコミュニケーションのために1日のうちに長時間にわたってスマートフォンを利用している(内閣府 2018)。一方、自分が他者と比較をしてどの程度スマートフォンを利用しているのかを知る機会はあまりない。今回の発表では、自分や友人の利用状況を認識することを通して過度なネット利用の予防やその対策を検討した授業実践の紹介と、そこでの生徒の様子やその実践結果を報告する。


分科会発表(5) 11:25~11:55

【分科会A】問題解決学習の授業実践 ~Student-Centered Learningをとおして~
愛知県立瀬戸北総合高等学校  田中 健
発表スライド : 5A_tanaka.pdf(3.0MB)
(要旨) 現行の学習指導要領において充実すべき重要事項として言語活動の充実が挙げられているが、情報科においてはその授業事例はまだ少ない。そこで発表者の勤務校にて、生徒が主体的に学ぶStudent-Centered Learningの手法を取り入れ「他者が発するどういった情報から人間は説得され心を動かされるのか」ということを考えさせる問題解決学習を実施した。本発表ではその実践例を紹介する。

【分科会B】プログラム可視化(PV)を活用したコースウェア
公立大学法人 会津大学  黒川 弘国
発表スライド : 5B_kurokawa.pdf(2.1MB)
(要旨) 中高校情報教育支援のための、PVを用いるプログラム教育環境を提案する。(1)PPTスライドで示しているCプログラムの解説を、行ごとにデモ実行しながら遂行可能;(2)教員は黒板を使う感覚でPVツールを操作可能;(3)学生はいつでも何処でも教員と同じツールで勉強可能;(4)専用教材・動画とセットで提供し、すぐに導入可能;(5)独自のコース構築が可能。 本環境は現在会津大学内外で応用され改良中である。

【分科会C】生徒の興味に着目した知的財産に関する授業実践報告
東京都立総合芸術高等学校  千葉 緑
発表スライド : 5C_chiba.pdf(50.4MB)
(要旨) 知的財産・個人情報に関する分野については具体的で身近な事例を通して理解する必要がある。例えば、踊る動画は、【1から考えた踊り・何かを参考にした踊り】、【音無・音有】、【録画のみ・録画後SNSにアップロード】等で様々な権利に触れることになる。そこで本校では生徒の絵を描く・演じる・演奏するという興味に着目し知的財産について学ぶ取り組みを行っており、その授業実践を報告する。


分科会発表(6) 12:00~12:30

【分科会A】専門学科「情報」におけるSPH(スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール)の取り組み
東京都立新宿山吹高等学校  高橋 正憲
発表スライド : 6A_takahashi.pdf(3.4MB)
(要旨) 新宿山吹高校は、専門学科「情報」を設置している学校である。2017年度に文部科学省からスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール(SPH)の指定を受け、「Shinjuku Yamabuki 2020 多様な未来に対応する情報技術者の育成」を研究課題として、様々な取り組みを1年目に行った。その取り組み内容と結果について報告するとともに、現在取り組んでいる2年目以降の方向性について発表する。

【分科会B】Scratchワークショップ型の「教えない」プログラミング教育
千葉県立袖ケ浦高等学校/市川南高等学校  太田 剛
発表スライド : 6B_ota.pdf(470KB)
(要旨) 2022年度から「情報I」が始まり、プログラミングが必修化となる。ただし、教師の能力不足や、生徒の能力のばらつきの問題が指摘されている。そこで、生徒がサンプル教材や友達との助け合いで主体的に学習するワーククショップ型の教えないプログラミング授業を実施した。その結果、生徒が主体的に考え、一定のレベルのプログラムを作成することを示したが、作成の方向付けや、初心者への支援の充実等の課題も明らかになった

【分科会C】生徒所有端末の授業での有効活用
秋田県立平成高等学校  宮川 泰之
発表スライド : 6C_miyagawa.pdf(4.1MB)
(要旨) タブレット型PCを、生徒一人が一台ずつ所有するというハードウェア面の整備は予算面等から厳しいという状況は依然続いている。そこで、ほとんどの生徒が所有しているスマートフォンをBYOD(Bring Your Own Device)としてどのように授業の中で活用していくかについて研究を行っている。Edmodoを利用した授業の実践例から、スマートフォンを利用した授業がアクティブラーニングやアダプティブラーニングの実践につながる可能性を報告したい。


分科会発表(7) 13:20~13:50

【分科会A】ネットワークの学習意欲を向上させる指導と評価について
秋田県立仁賀保高等学校  早藤 素史
発表スライド : 7A_hayafuji.pdf(1.1MB)
(要旨) ネットワークの学習は、イメージしにくかったり、理論的で複雑な内容が多いことから、生徒の関心・意欲が失われやすい。そこで、企業アンケートを実施し、強化すべき単元・項目を把握するとともに、学習サイクルの中に実習を適切に位置づけたり、生徒が思考し、判断し、表現することを重視する授業・実習を行ったところ、学習に対して自ら学ぶ意欲が高まった。そういう専門教科の人材育成についてお話ししたい。

【分科会B】問題解決に自然言語処理と機械学習を用いた協働学習の実践
埼玉県立川越南高等学校  春日井 優
発表スライド : 7B_kasugai.pdf(2.3MB)
(要旨) 次期学習指導要領の情報Ⅱでデータサイエンスが内容に含まれることになった。また、近年人工知能の発展がめざましく、機械学習などデータサイエンスの手法が用いられている。そこで、人工知能を支える技術のうち、自然言語処理(形態素解析・tf-idf)と機械学習(単純ベイズ分類器)について授業を行った。さらに、グループでの協働学習により、それらの手法を問題解決での活用法を生徒が考え、インターネット上の文章を用いて処理し、解決方法の提案をする授業を行った。

【分科会C】ネットコミュニケーショントラブル予防の教育プログラムの開発
関西学院千里国際中高等部  米田 謙三
発表スライド : 7C_yoneda.pdf(194KB)
(要旨) 青少年のSNSのコミュニケーションの増加とともに、トラブルも増加している。特にネットでのいじめの問題は社会問題にもなっている。ネットいじめの問題は、加害行動を目撃した人の行動によって状況が変化する。授業でシミュレーション教材(疑似体験アプリ)を用いて個人で行動選択を考え、選択した行動の結果としてどのような事態が起こりえるのかを考えさせ、いじめの観衆や傍観者を軽減させることができるのか考察する。


分科会発表(8) 13:55~14:25

【分科会A】情報社会の問題解決
東京都立町田高等学校  小原 格
発表スライド : 8A_ohara.pdf(1.1MB)
(要旨) 新学習指導要領「情報I」への移行を意識した授業展開の実践報告を行う。情報Iでは(1)に「情報社会の問題解決」として、情報と情報技術を活用して情報社会における問題を発見解決する方法を身につけさせたり考えさせたりすることが求められている。特に(1)ではこの科目の導入と位置づけられていることから、中学校までの学習を俯瞰するような形からの動機付けや、アクティブ・ラーニングを取り入れての実践を報告する。

【分科会B】プログラミングでLINEの仕組みを理解しよう
神奈川県立茅ケ崎西浜高等学校  鎌田 高徳
発表スライド : 8B_kamada.pdf(4.6MB)
(要旨) 生徒たちは無料通信アプリ「LINE」でトークメッセージのやり取りをスマートフォンで行っているが、どのようなネットワークの仕組みでデータのやり取りされるのか、生徒たちはほとんど理解していない。そこでサーバ役と端末役のパソコンを用意し、プログラミング言語「ドリトル」のプログラミングを通して、このクライアントサーバシステムの仕組み体験的に理解する授業を行った。

【分科会C】反転学習を意識した動画教材の作成
埼玉県高等学校情報教育研究会  石井 政人
発表スライド : 8C_ishii.pdf(4MB)
(要旨) 埼玉県高等学校情報教育研究会では、毎年複数名の研究委員で活動し、研究論文をまとめている。 昨年度の研究委員会では、「論理的思考力・問題解決能力の育成」を目標とした「より効率的に・深い学びができる授業作り」とは何かを検討した。そして、授業で生徒に「考えさせる」「話し合わせる」「問題解決させる」時間を増やすため、教員の説明部分の動画を作成し、反転学習を意識した授業案を作成した。その結果を報告する。